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メキシコ人である義理の兄からとても素晴らしい本を頂きました。Luis Barraganと
いうメキシコの偉大な建築家に関する本を2冊頂いたのですが、そのうちの1冊が とても面白い本だったので、1年程休んでいたブログを久々に立ち上げ、記憶がフ レッシュなうちに書いておきたいと思います。 その本とは、イギリスのPhadonPressという出版社から出ているReneBurriの 「LuisBarragan」という本です。ReneBurriは写真家で映像作家でもあるようです が、いわゆる建築写真家ではありません。そのため写真主体の構成でありますが、 カタログ的にBarragan作品の写真をその建物ごとに並べたり、写真を通して Barraganの論考を単純に伝えるといった、通常の本の構成とはある種違ったものに なっています。この本は建物ごとにチャプターやページを分けることをしておらず、 ReneBurriによる断片的な写真にBarraganの言葉をちりばめた抽象的な構成となっ ています。このちりばめられたBarraganの言葉は、彼のプリッツカー賞受賞時のイ ンタビューをバラバラに解体し、詩のように分散配置したものです。一度解体し断 片化された写真や言葉をReneBurriという「編集者」(彼は職業としての編集者では ない)によって、彼が実際にふれたLuisBarraganを再現すべく再構成されたものだ と言えると思います。 don't ask me about the building or that one. don't look at me. see what I saw. (本書p23より) 作品写真をとおして彼の建物をじっくりと観察し、その背後にある思想や文脈を汲 み取る一般的な作品集ではなく、断片的な写真をページとともに連続させ、そこに キャプションを重ねることでビジョナリーにLuisBarraganという宇宙が立ち上がっ てくる、今までにない、非常に映像的な本だと思います。そもそも建築物とはメディ アとしての側面も持っており、建築家やクライアントの思想、またその背景等 (コンテクスト)がひとつの建物という物質に媒介されたものだと言えます。その 意味においてこの本は、写真の中にあるメディアとしての建物をとおしてバラガン の思想を読み取る本(二重のメディア)ではなく、ページをめくり、ReneBurriに よって再構築されたBarraganのビジョンに直に触れることができる本(ダイレクト なメディア)であると言えると思います。 この本の表紙は、Barraganの建物が水盤に映り込んだ写真を拡大したものです。 この本が編者としてのReneBurriに投影され映り込んだLuisBarraganそのものである ことを示唆したデザインに思えます。 素敵な本を有り難うございます! また大切な本が増えました。
by g-press
| 2012-12-16 10:36
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